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劇団維新派へ風景についての講演をする
今日は劇団維新派の皆さんにプレゼン。
風景論と絡めて次回公演の「風景画」について語り合う。
維新派の次回公演は犬島の入江にて干潮時のみの上演。
今日の話が作品づくりに少しでも何かの刺激になればと思う。
普段は僕のアトリエ♭を稽古場として利用されているが、♭は稽古場としてもトークイベント会場としてもギャラリーとしても使える。いつもの稽古場の感じとは少し空気が違う感じ。
まずは雄吉さんから犬島の次の公演になる東京池袋の説明。同じ演目をビルの屋上でされるらしく屋上から見える風景がそのまま舞台となる。まさに風景画。
池袋での公演面白そう。犬島と同じ内容なのだが、背景が変わればおそらく風景が変わるはずだ。是非役者としても参加したかったが。
維新派への講演終了後に祐吉さんや俳優たちを交えてかなり面白いディスカッションが出来た。
次回の「風景画」では稽古場で芝居を作る時間を重視されていて、その生産プロセスに自分が関わる事になるとは想像すらもしていなかったが、俳優陣にも刺激になったようで良かった。松本さんもかなり刺激を受けていたようで作品づくりに反映するかと。
終わってから俳優が集まって質問してきた内容からも作品づくりに主体的に関わる姿が見える。脚本があってそれを演じるのではなく、芝居の主体的な作り手になる意識があるからこそ、僕の今日の講演も響くのだろう。俳優とデザイナーとアーティストのクロスオーバーに居る自分としては本望な時間を持てた。
雄吉さんも俳優も今回公演のために風景について良く勉強しているようで、風景についての質問も飛んでくる。今日は物語をキーワードに宗教と芸術と風景の話へと膨らませた。特に演劇なので身体と風景については関心が深い。CSCDで志賀玲子さんと一緒にしていた身体と環境を巡るワークショップの話も少し触れながら話した。
今日の話を受けて、犬島の風景がどう異化されるのか。また池袋の街の風景がどう異化されるのか。僕は自分のプレゼンを通じて、俳優や演出家のまなざしを異化することで、間接的に風景をデザインしている。もはやランドスケープデザイナーの仕事では無いのかも知れないが、そんなこと構うまい。
松本雄吉さんも反応していたが、「現代アートの森」でやったインスタレーションの"ニテヒナル"が玄人受けが良い自分の作品。 森に造花を仕込んでいくという単純な発想の作品だが、実はメッセージとして深いものがあるのを読み取ってくれる。話のわかる人相手にはあれだけで一時間は話せる。
松本雄吉さんも言っていたが、やはり農学部出身の表現者は珍しいらしい。修士も農学生命科学科だし、昔から生命や命には並々ならぬ関心があったのは事実だが、最近までさほど意識したこともなく、むしろ逃れようとしていたのだが。
今は誇りに思っている。宮沢賢治にも感謝。
本日一番学んだのは、物語の外側を巡る議論の最中だ。 フラーの言葉を出して「環境」と「宇宙」の違いは"私"を含むかどうかの違いだと説明したが、その私が物語として風景を見て、物語として生きるという話をしていた時に気づいたことがたくさんある。もう少し整理が必要だが何か掴めそうだ。
雄吉さんの芝居を作るプロセスの話も興味深い。もはや芝居の中身よりも、作る手法論に創造性がシフトしつつあるのかも知れないとここでも感じた。問題はそれが実際の公演でどう表現されるか。そのプロセスに内部から関われるのはとても勉強になる。
風景異化の話を楽園論とセットで語ろうと思ったのは今日初めて試して見たこと。前回の研究会で得た事が少し効いている。もうちょっと勉強と消化が必要だ。うまく整理出来たら、来年の阪大の建築学科の講義で話そう。
少しだけ語ると、ある場所が聖性や楽園性を帯びることに通じているという視点。 あんまり考え込めていないことは小出しにするべきではないが、今やまとまってから本にするという時代でも無かろう。プロセスを見せる事の方が重要だと割り切る。
維新派の舞台で犬島は聖性を帯びるのかどうか。 今日のディスカッションでは「風景が私を愛する」というテーマについて考えれたのは自分にとって得た事。維新派は犬島の入江に関心があるかも知れないが、犬島の入江は維新派に関心が無い。そこを何が乗り越えさせるのかがポイントだ。
次回の犬島とその次の池袋の維新派の公演にご招待されたので是非、成果を見守りつつ、しかと見極めたい。
本日の講演の元ネタになった風景論の数々。みんな興味深そうに手にとっていた。これも自分のアトリエでする講演だからできる技。
前回、松本祐吉さんにはイーフートゥアンの「空間の経験」をプレゼントした。
僕もかなり影響を受けている一冊。
いよいよ脳がパンクしそうになってきたが、旅と観光、風景異化、楽園と聖地、演劇と身体、映画とイメージ、場所愛、演技と公共、アートとデザイン、創造と都市...。これら全てを同時に処理せねばならない立位置になってきたことをどう受け止めるか。逃げるか踏みとどまるか。引き裂かれそうだ。
今日の講演も本当は松本雄吉さんと僕との対談にして、USTREAMで流せば良かった。風景と演劇と表現を巡ってかなり面白い議論になっていたのに。こんな時に♭に技術的に手伝ってくれる人が居ればと感じる。
by innerscape
| 2011-07-14 18:17
| 映画と演劇
私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
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