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flw moon innerscape


私的風景の電脳記録
by innerscape
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2013年のレビューと2014年の展望

2013年は僕にとって試練の年だった。
落ち着いた時間が取れなかったのだが、ログとして2013年に印象深かったいくつかのことを振り返って整理してみる。 

1月 
アムステルダムからパフォーマーMelih Gençboyaciが♭へレジデンスに来る

2月 
岩手の神楽と聖地のフィールドワーク

3月 
関西テレビ「スーパーニュースアンカー」で活動が紹介される
スタンフォード大学で行われたAAAI(国際人工知能学会)で風景異化論を研究発表
アリゾナの聖地のフィールドワーク 

4月 
大阪府立大学社会人大学院の開校
モエレ沼公園のフィールドワーク
♭にて「シネパラードvol.2」開催

5月
映画WS「キネミカルヴァーチューズ」
ソウルの国際会議「芸術と教育」に登壇
ジャパンデザインプロデューサーズユニオンにて基調講演
「風景異化論」を造園学会にて発表
花火の演出打ち合わせ

6月
「見立て研究」を人工知能学会にて発表
弟の花村勝寛がトロントにて逝去、死因の調査へ渡航
クリエイティブツーリズムの代表の交代劇
社会人大学院にて「地域デザイン論」の開講
♭にて伊藤俊治先生還暦パーティ

7月
母がニューヨークへ静養に行く
大阪ディスプレイデザイン協会にて講演
アイヌの聖地のフィールドワーク

8月
DSA名古屋支部にて講演
活版印刷工場を舞台にした映画の稽古
大阪府立大学学長懸賞受賞
♭にて「映画侠区」開催
医療福祉の展示会にて講演

9月
韓国のアーティストLee Daeilが♭へレジデンス
浦山監督の「株式会社恋文印刷所」の撮影
社会人大学院「都市文化デザイン演習」開講
いじめ問題について友人から相談を受ける
実家の荷物整理

10月
都市文化デザイン演習にて「まなざしのデザインガイドブック」の制作指導
堺市シティプロモーション事業アドバイザー就任
日本空間デザイン大賞贈賞式

11月
奈良リバースツーリズムでナビゲーター役
Springer社発刊のジャーナルへの英語論文投稿
都市文化デザイン演習「まなざしのデザインガイドブック」の成果報告会
バングラデシュFloating Peersへ参加、ランドアート「ベンガルの赤い蛇」を制作
大阪府農林環境水産研究所と大阪府立大学共同セミナーにて基調講演

12月
大阪府下大規模吹き抜け病院のフィールドワーク
建築と社会へ論考寄稿
社会人大学院修士論文の指導
東京芸大先端芸術研究科で講演
東京大学i.schoolで講演
東京都立現代美術館FCCにて講演
greenz取材
♭望年会

2013年も駆け抜けてきたが、最も大きな出来事は弟が亡くなったことだ。
僕の人生の価値観をガラリと変えてしまう出来事だったし、今でもまだ心も身体も癒えていない。
個人的な出来事や経験は必ず自分の社会的な活動へ影響を与える。
弟の死については一度8月に作品として整理をつけることで、自分の中では一度忘れることにしている。向き合うには余りにも大きな出来事だった。しかし記憶が風化することも避けねばならなかったので、耐えられなかった時間だったが作品としてとどめておくしか無かった。
弟の死を巡って様々な人間模様も見れた。
力強く支えてくれる人、優しく見守ってくれる人、哀しみを共有してくれる人もいた。こうした人々が居たからこそ自分は正気を保っていられる。
そして反対に、自分の哀しみにしか心を傾けない人、命の価値ではなく具体的な利益に目が向く人、哀しみに付け入り己の利を得ようとする人もいた。
弟の死の哀しみだけでも辛かったが、仕事においてもその哀しみの隙に乗じる形で有利に事を運ぼうとする心なき人々の振る舞いに対して絶望も感じた。密室で行われる表面化しない透き通った悪の形に恐れ戦いたが、しかし今ではその経験も全て自分の成長や学びのためにあったのだと思えるように、少しずつ立ち直り始めている。

アートの作品としては前半期最も大きかったのは「モエレサマーフェスティバル2013」の演出物語花火「モエレ星の伝説」で、1万人で行うインスタレーションをしたこと。
札幌と上海のプロデューサーと毎日のように対話しながら最後の最後までどうなるか分からなかった作品。
全力を尽くしたし、1万個の光が灯った時に上がった歓声は今でも忘れられない。
ここでは祭りの意味、地球規模のスケールへ思いを馳せる事の意味、現象デザインの可能性など多くを学んだ。
目下今年の前半はこの作品のアーカイブに力を入れねば。
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後半期に最も印象深かったのは、バングラデシュでの取り組みだ。
当初は何もアイデア無しで現地入りしたが、そこで洪水にあえぐ貧困コミュニティを見て芸術に何が出来るのかを自分なりに考えた。
4日で調査をし、3日でプランを立て、4日で工事をして最終的には村を守る防波堤を巨大な蛇のランドアートとして再生させる作品としてそれを投げかけたつもりだ。そしてこのプロジェクトはまだ続いている。
命をまもるための芸術の在り方とは何か、1000年続く聖地のランドスケープデザインはいかなるプロセスで生まれるのか、イスラムとヒンズーという宗教対立は乗り越えられるのか、そして最貧国に見つけた豊かさとは何か。
ここでも多くを学んだ。
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今年一年は、この半年通常ではない精神状態で走って来たために傷んでしまった身体をちゃんと整えながら、2013年までにしてきた自分の取り組みをちゃんと確認して意味付けをして発信して社会化するということに力を注ぎたい。

♭という場所についてはメンバーの中でも何人かは熟して来た感があるので、自分の手を離しつつ上手に見守りたいと考えている。しかし6月以降、民主主義という考え方に少し失望を覚えていることもあり、ここではもう少し掘り下げて「共異体」という人の集まり方を実験してみたい。

振り返ってみると活動の多様性は相変わらずで、人からは何をやっているのか分かりにくいといつも言われるが、自分としては一つのことをしているつもりだし、分かりやすさを求めるがあまりに豊かな意味がこぼれ落ちてしまうことの方が僕としては残念だと思っている。

メディアへは失望していたが、2013年にはいくつかの良き出会いがあってマスメディアも含めて少しだけメディアの力を見直している。
良き活動、良き思想を良き形で伝えてくれるメディアとの邂逅は喜ばしいことだが、それを受け取る人々が良き受信へと至るためには何かまだ必要な気がする。
そのあたりが今年の哲学のスタートかと。

今年からのテーマは「生命芸術」だと考えている。
4月までに、病院という命を救う場での大規模なインスタレーション、ベンガル湾で命を守るためのランドアート、命を救う男の役を頂いた映画の撮影という大きな活動が3つが動く。
弟の死をもって考えた命を失うことの意味も映画作品としていつかちゃんと社会化させる。
研究でも実践でも生命と芸術をテーマにし、またそれを一般社団法人を通じて事業化していくことも考えねばならない。
それらも含めてちゃんと言葉や文字としてもそして、言葉以外の媒体でも発信していくことを今年はちゃんと考えたい。

by innerscape | 2014-01-07 16:23 | 未来の自分との対話

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

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