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私的風景の電脳記録
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霧はれて光きたる春2014のレポート三日目

昨夜から降り始めた雨が午後までずっと続いていた。
先週の予報では曇りだったのが、二日ほど前に雨マークに代わりそしてそれが昨日には確実に雨が降るという予報に変わった。
「霧はれて光きたる春」は天井の無い屋外のライトコート(光庭)で行うので、天候に大きく左右される。
屋上で吹く風が強くなればシャボン玉は全部上へ流されてしまうし、風向きを読みながらその日の状況に応じて演出を変えて行く。
しかし雨が降ると実施自体が怪しくなってしまう。
それは特殊効果の機材が雨に弱く故障する危険性が出て来るからだ。
だから土砂降りの大雨では絶対に実施する事は出来ない。
今日の雨は微妙な具合だった。

朝目覚めた時には雨が強く降っていたので、ひょっとすると今日は中止になるのではないかと予感していた。
しかしもし中止になったとしても、現場には出向いてそしてサポーターの方にも現場に来てもらって対話の時間が持てればと考えていた。
この作品は中止されることもその表現の一つなのだ。
昨日の風景があまりにも美しかったから、今日も窓辺にやってきていたが雨が降っていた。
それを見てもし雨で今日はその風景が見られないかもしれないとなった時の人々はどんな想いをするだろうかと想像してみる。
談話室で腰かけるご年配の方々の間では雨があがるかどうかの話題が飛び交うかもしれないし、残念そうに病室で一人でほおづえを突きながら空を見上げる人が居るかもしれない。
看護師さんもどこかそわそわと天気を気にしていたり、中には雨が上がるために祈りを捧げる人が居るかもしれない。
そうやって皆で雨が上がる事を待つという風景もこれは美しいものなのではないかと思う。
そして結局は見れなかったとして、その翌日に雨が上がった後でやってくる風景は一際待ち遠しいものになるだろう。
そうした様々な人々の想いやたたずまいも含めて全て作品の演出なのだと思っている。
本日のサポーターにも、雨で中止という事になっても現場で様々なものを感じて欲しいと説明をして集まってもらっていた。

開始時刻の30分前に実施を行うかどうかの判断が迫られるが、そこで奇跡は起こるのだ。
開始のぴったり1時間前には雨がほぼ降り止み、ぱらぱらと小雨の状態となっていた。
これならば実施出来ると判断し、慌てて機材をセッティングした。

いざ実施が始まったが、僕は雨の中のこの作品がこんなに美しいとは想像もしていなかった。
昨日の晴れた中での霧ではなく、湿度の高い中での霧は穏やかに拡散して、照明の光に奇麗に反応して行く。
湿度が高いと霧がなかなか消えずに高い所まで上って行くので、とても幻想的な風景が拡がるのだ。
そして雨が止む頃には空気の流れが弱いので、雪もシャボン玉も昨日以上にライトコートの中に入って行って、気がつくと空間一杯に満ちていた。
空気中の細かな水分によって音はいつも以上に遠くまで鳴り響き、途中で軽く降って来た雨が静けさを醸し出していた。
僕はこの作品を過去に何度も実施して来ているが、こんなにもしっとりとして艶やかな姿をこれまで見た事が無かった。

今日は患者さん達の反応も驚くぐらい良かった。
5階から12階の各階でサポーター達が出会った風景を後で毎回振り返って共有するのだが、それぞれの階での報告の中で、患者さん達が自分たちの居る階が一番いい風景が拡がっているとどの階も自慢し出すという報告が印象的だった。
毎日見に来ている人はその時間になると談話室の電気を消して暗い中で眺めているところもあるし、孫に見せたいとその場で携帯電話を手に取る方も居たという。
開頭手術を終えたばかりの患者さんが自分の足で立ち上がって窓辺に寄りかかる姿。
ゲームをしていた子供がふと眼を上げると降って来るシャボン玉に圧倒されてそのまま窓際に上ってしまう姿。
窓辺に30分釘付けになっていた二人のお爺さんは顔を見合わせながら、昨日の風景と今日の風景を比較していた。
どうやら実施の途中で小雨が降って来ていたようだったが、雨までが演出の一部のようだった。

ひょっとすると人が祈る力というのは天候を動かすのかもしれない。
今日はそんなことを信じたくなるような一日だった。
この作品は毎日変化して行く。
それは現象が変化して行くだけではなく、患者さんや医療従事者のまなざしも変化して行くのだ。
そして入れ替わりやってくるサポーターの方々のまなざしも不思議なことに変化して行く。
もちろん僕ら実施者のまなざしも。
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by innerscape | 2014-03-26 23:59 | アート

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

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