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コマーシャルの行く末
この授業は講義というよりも毎回小さなワークショップを行い、その中で様々なイメージの読み取りや対話などを通じてリテラシーを高めていくという狙いである。
僕自身は鷲田氏から10月に急に声をかけられてスタートしたものなので、毎回授業の組み立てがあやふやで学生には申し訳ない思いがあるが、その反面毎回40名ほどの学生と一緒に授業を造っていっている感覚があって楽しい。
今日はコマーシャル映像を巡って色々とディスカッションを行った。
広告批評で特集されたコマーシャル映像を使って、アワードに選ばれた世界各国のコマーシャル映像を見る。毎回センスが面白いNIKEのCMやゲームソフトのCM、ジーンズのCMから交通事故防止キャンペーンのCMまで幅広い作品を取り上げ、最近のCM映像の動向についてコメントをする。
その中で面白かったのは鷲田氏が読み取ったCMの変遷である。
1960年代は商品の機能についてプレゼンテーションするのがコマーシャルの役割だった。その商品がどんな機能と性能を持っていて、それが我々の生活にどう役立てるかということを映像の中で必死に伝えようとしている。つまりfunctionがメッセージになっているという事である。
その後バブル前後になるとそれが変化してきて商品の機能をあまり説明しなくなったという。その代わりに何をメッセージとしてこめ始めたかというとそこで出てくるのがイメージである。その商品がどんなライフスタイルを標榜しているのか、それを生産している企業がどのような思想を持っているのかというimageを伝えるためのメディアとしてCMが利用されるようになったと読み解いている。
今日の世界各国のCM映像を見ていて鷲田氏はすでにimageすらも今のCMは通り越しているという。二人の人間がビルの壁を次々とぶち抜いて進んでいくCM映像などがあったが、そこにはもはや商品のfunctionも企業のimageもなくintensityしか無いという。
僕はこのintensityという言葉をimpactと変えても説明しても良いと思っている。
これほど情報過多になってしまった中で何か目をひこうとすると、普通のことをしているとその他の情報の中に埋もれてしまう。だからまずは見ている人に衝撃を与える映像でなければ情報が伝わらないという戦略を取らざるを得ないのだろう。
それが加速していくと商品の内容や価値はおろか、イメージとも関係なく映像だけが一人歩きする。資本主義が進んでいくと他との差異化が戦略上非常に重要になることは分かるが、メディアは本来の媒介という本質から離れてしまい何も媒介せずにインパクトを与えるだけの存在になってしまっているような気がする。
アートやデザインはその事に加担して共謀するだけで良いのかという問いかけは未だ漂っているのではないだろうか。
by innerscape
| 2006-01-13 23:44
| 情報デザインと風景
私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
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