flw moon innerscape


私的風景の電脳記録
by innerscape
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

図の職能、地の職能

a0091712_5432767.jpg今日はアーキフォーラムで千葉学氏を招いて話しを聞いた。
千葉氏は東京大学の建築学科で助教授をされていると同時にご自身で建築事務所もされており、少し前まではランドスケープアーキテクトのナンシー・フィンレイ氏と共同で事務所もされていた方である。

千葉氏は都市のスキマやヴォイドに昔から興味があるということで、作品の説明の中にも建物のヴォリューム配置でオープンスペースのヴォリュームを作っていくという手法が何度も見られる。その時の建物と屋外空間とのヴォリュームバランスは周辺の街のコンテクストから引用されることが多い。
千葉氏の作品から感じたのは屋外空間を作る際にヴォリュームが非常に重視されていて、表面のテクスチュアや装飾という部分に対してはほとんど興味がないようなレベルで捉えられていることだ。
確かに空間はほとんどヴォリュームが支配しているといってもいいのだが、そこにどのような質を与えるのかという部分に千葉氏は触れようとはしておらず、そのことが庭の手法でオープンスペースのデザインを展開する今のランドスケープアーキテクトとは一線を画するところだろう。建物という『図』のあり方が、屋外空間という『地』のあり方を決めるという、この手法には僕も非常に共感を覚える部分もある。


a0091712_5435059.jpgしかし一方で、千葉氏のそうした試みは敷地の中のオープンスペースのあり方という部分で完結しているように僕には感じた。
都市活動を読み取り、それを敷地の中へ持ち込む、あるいは都市の空間量の読み取りから敷地内の建物とオープンスペースのあり方を決めていくという志向性は、やはり都市⇒敷地へのベクトルである。
反対のベクトルつまり敷地⇒都市というように、操作した建物や敷地内のオープンスペースのあり方が都市の方向性を示唆しはじめるという内から外へのベクトルについてはやはり見ることは出来ないように思える。

そこにはやはり職能としてどの場所へ意識を向けるかということへの差異があるのだろうか、建築家の意識が都市の『地』をつくることへ向けられていると感じることが少ない。
そこに建築家の限界性があるのは、きっと操作する対象として、建築本体とその周辺の敷地内が意識されているからで、もし大きくまとまった都市スケールの開発で複数の建物とオープンスペースが操作対象として与えられたときに、千葉氏を始めこのシリーズでお呼びしている建築家の方々がどういう計画をするのか非常に興味をそそられる。
[PR]
by innerscape | 2005-10-29 05:39 | マゾヒスティックランドスケープ

跳躍からの日常

a0091712_5481367.jpg横浜トリエンナーレに行ってきた。
アーティストであり、このイベントの総合ディレクターでもある川俣正氏に案内していただいて会場を回ることが出来たのはとても幸運な事に違いない。
以前、川俣氏が大阪へ来られた折に当大学の鷲田清一氏とカフェトークというイベントで対談したのだが、その後の飲み会でイベントの案内をしていただけるというありがたい申し出が実現したのは一重にCSCDの木ノ下氏の力によるところが大きい。
会場の入り口にあたる山下公園には既にルック・デルー氏のコンテナのゲートがあり、いかにもという感じがしてきた。
鷲田氏や中岡氏、本間氏などの哲学者と共に、ダニエルビュランの三角旗の下をくぐりながら会場に向かって歩き始めるのは何とも不思議な感覚だった。

a0091712_5484190.jpg第2回目となる今回のイベントは『アートサーカス~日常からの跳躍~』というタイトルで行われている。
川俣氏自身が一連の『フィールドワーク』と呼ばれる作品などで日常風景とそこへの埋没する作品を扱っているように、集められた作家も日常への再発見を促すような視点で取り組んでいる人が多いのではないかと期待を持っていた。
いくつか面白い作品があった。
街路樹に水をやったり、壊れたベンチを修繕したり、はげた横断歩道を塗りなおしたりする姿を写真に収めた『ニーズ』というディディエ・クールボの一連の作品は僕たちがマゾヒスティック・ランドスケープの中で試みている都市の介入の仕方に非常に近くて共感を覚える。
岩井成昭氏の『ミリオンママ』も面白かった。立ち並ぶ公衆電話ボックスに入るとが急に電話が鳴り出し、受話器を取ると聞こえてくる誰かの母親の声はどこかでデジャビュを覚えるともに、ギョッとする体験でもある。

a0091712_5491571.jpgミハイル・サイルストルファーの『タイム・イズ・ノット・ア・ハイウェイ』も面白かった作品の一つだ。会場へ歩いてくるまでの間に自動車のタイヤが山積みされた風景を見かけたのだが、彼の作品の前にもたくさんのタイヤが山積みにされており、タイヤの一つが壁こすりつけられながら回転している。最初見たときに意味が分からなかったが、少し引いて再び見たときに急に意味が理解できた。それは工場の中でよく見かけるような風景なのだが、タイヤが壁にこすりつけられるのには何の意味も無いという事が逆に、工場の中には意味や機能のある装置しかないはずだということに気づかされる。
他にもいくつか面白い作品があったのだが、さすがに世界30ヶ国、86名のアーティストが居ると、一貫したテーマで全体を進めていくのは難しいのだろう。
読み取りの仕方にもよるのだが、ちゃんと“日常”に根を下ろして跳躍していると感じる作品は個人的感想としては半分ぐらいだったような感じがする。

その大きな原因としては、まずは場所の設定自体がやはり非日常な(ある人々にとっては日常的であるが・・・)埠頭の先端だったというところにあるような気が個人的にはしてならない。そういう点で見ると西野達郎氏の行った『ヴィラ會芳亭』だけが中華街のど真ん中での作品だったので、周辺の方々にとって跳躍する体験だったに違いない。

a0091712_549441.jpgアートが提示する視点は、確かに日常からの跳躍である。僕たちが普段生活する中で毎日に見る風景を捉える視点がマンネリ化して新しさや面白さが見出せなくなってしまった時に、アートが提示する視点は日常を違った角度から再び発見させてくれる。
しかしそれが日常に溢れればいいと勘違いしてはいけない。そして日常を生きる人々がみんなそうした非日常のアートの視点に対してリテラシーを持っていると思ってはいけない。こうした会場へ足を運び、それを楽しむことの出来る人々はほんの一握りなのだ。
だからこそアートが提示する跳躍した視点を再び日常へのベクトルへ翻訳し、しっかりと日常空間を作っていくのがランドスケープデザインが背負っている使命ではないかと思う。
[PR]
by innerscape | 2005-10-25 05:45 | 日常

哲学とイメージ

a0091712_5565028.jpg哲学者の鷲田清一氏のお誘いで、毎週金曜日の午後の3限4限に哲学の授業を受け持つことになった。正確に言うと哲学というよりも『アートリテラシー』、アートやイメージの読み取りについての授業である。
鷲田さんと僕と同僚の久保田テツ氏の3人で映像や音楽や空間や絵画など様々なイメージを巡って毎回ワークショップを行うという内容である。
今日はその第一回目で、鷲田氏がこの授業の狙いについて話をする。
最近鷲田氏は『〈想像〉のレッスン』という本を出したばかりで、そこでも触れられているが鷲田氏は人が見るものは一体何かと問いかける。

たとえばそこにある箱を見てみる。
ここから見えるのはこちら側に顔を向けている一面だけである。
手にとって色んな角度から見てみてもそれは同じで、その都度見えているのは常に箱の一部である…。

a0091712_557975.jpg僕たちは何かを見るときに同時に全体を眺めることが出来ない。
常に僕たちが見ることが出来るのは、その時にこちら側に顔を見せている一部である。
でも僕たちはそれが何かということを把握することが出来る。
それは一体なぜか。
あるいは一筆書きで描いた似顔絵がある。
人間の顔は複雑で決して一本の線で出来ているわけではないが、一筆書きの似顔絵は驚くほどその顔によく似ている。
それは一体なぜか。

それは人にイメージする力があるからである。
そもそも顔というのをはっきりと思い出せない。
何となくぼんやりと思い出すことができるが、目がどんな形をしていて、鼻がどんな形をしていて、口はどんなバランスでついているのかをつぶさに思い出すことが難しい。
これは人の顔がイメージで把握されているからであると鷲田氏は語る。
イメージとは一体何なのだろうか。

a0091712_5573552.jpg今回のこの授業ではイメージを読み取り、それを巡って対話するということを目指して色々と実験的なことをしていきたい。
そのためのツールとして今回用いようとしているアートが一体何なのかを鷲田氏含めて一緒に考えていければと思う。
[PR]
by innerscape | 2005-10-14 05:52 | コミュニケーションデザイン

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

フォロー中のブログ

最新のトラックバック

cat play cen..
from cat play centres
farmers insu..
from farmers insura..
dirtrunnr.com
from dirtrunnr.com
canada goose..
from canada goose o..
http://www.a..
from http://www.air..
air max 1
from air max 1
nike air max..
from nike air max 95
air max 2013
from air max 2013
air jordan xx9
from air jordan xx9
mincir-intel..
from mincir-intelli..

ライフログ

検索

ファン

ブログジャンル

画像一覧