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私的風景の電脳記録
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OSOTOが聴こえる


a0091712_16585220.jpg遅ればせながらですが、僕が編集に関わっている雑誌「OSOTO」の創刊号が10月はじめに出ました。前回4月に出したものは創刊準備号ですので、今回から正式にOSOTOスタートです。
今回の特集は以下。

特集1 音は広がる。音が近づく。
特集2 おそとが子どもを刺激する

特集1では船場アートカフェでご一緒している大阪市立大学の中川真さんや京都精華大学の小松さんなどのWSを取り上げてます。



特集2ではメディアアーティストの岩井俊雄さんへのインタビューやランドスケープエクスプローラーでご一緒している山崎亮さんのプロジェクトや、震災体験ミュージアムでご一緒している永田宏和さんのネイチャーアートキャンプなども取り上げています。
書店で見かけられた方は是非ご購入のほどよろしくお願い致します。
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by innerscape | 2006-10-31 16:57 | ランドスケープデザイン

語られなかった物語

a0091712_191771.jpg今日は被災地である塩谷集落へ入った。
震災から丁度2年を迎える今日。
村はのどかに見えるが、どこか空気が張りつめていた。
この村、この地域には同じ名前の人が多い。
「星野さん」と「関さん」。

a0091712_110312.jpg午前に訪れた木沢集落で、僕らにお茶をすすめてくれたおじいさんも「星野さん」という名前。
そして午後に訪れたこの塩谷集落でも「星野さん」と「関さん」が現場へ案内してくれた。
遠くから眺めた地震による崩落現場は想像以上にすさまじい爪痕を残している。
山と山をつなぐ稜線がえぐりとられている。

a0091712_111119.jpg大きな手が山の途中をもぎ取ってしまったかのようだ。
そして地層が剥き出た壁が出来た。
僕たちは下へおり現場を歩き回る。
星野さんと関さんの話に寄ると、この場所自体はわざわざ朝日の写真を撮りにくる人がいるぐらい絶景な場所で、かつては池をつくり鯉を飼っていたそうである。

a0091712_112515.jpg崩れてしまった後のこの大きな場所をどうしたら良いか分からずに困っている。
僕の中では何となく答えが出ているが、この場所の様子、村の空気をもう少し見てからプランを練り始めたいと思った。
夕刻になると、丁度地震があった時刻に亡くなった方に捧げる黙祷の準備が始まった。
ロウソクで描かれた「絆」の文字。
この集落では3人の子供の命が失われている。
吹きすさぶ風に消されないようにロウソクの周りに人壁を作り、炎をまもる。

黙祷___。


a0091712_1131884.jpg1分間の沈黙の後、村人は集会所へ向かった。
僕たちは村人とともに集会所へ向いそこでもてなし受ける。
地酒とともにメディアには決して語られる事の無かった災害直後の物語を聴く事が出来た。
2年が過ぎたこの場所は、まだまだ癒えることは無いだろう。
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by innerscape | 2006-10-23 01:16 | 景観

大地の芸術祭へ

a0091712_1535063.jpgCSCDの減災チームのお誘いで、震災から2年目を迎える中越へ訪れる事になった。
減災チームは神戸の震災以降、地震を中心に災害ボランティアのネットワークやその後の街の復興などにおけるおけるコミュニケーションデザインに取り組んでいて、中越地震についても災害直後からずっとその経過を追いかけている。
今回僕が呼ばれたのは、被災した村の中に震災で崩落した山がありどうにも扱えないような
a0091712_1542938.jpg土地2haほど出来たらしく、そこのランドスケープを何とかして欲しいという事からだ。
最近、インスタレーションやイベント会場のデザインなど一瞬にして消えてしまうような空間デザインばかりしていたので、こうして大きな大地をと大きな時間を扱える仕事は実に久しぶりである。
そんな事で冬前の雪国へ出かける事になったのであるが、その前に行っておきたい場所があった。それは越後妻有。

a0091712_1551451.jpgこの夏、越後妻有では3回目のトリエンナーレ「大地の芸術祭」が行われていたのだが、結局タイムオーバーで行けずじまいだったので、これ幸いということでそちらへ立ち寄ってから中越へ向かう事にした。
個人的には、この芸術祭2003年に完成した「森の学校」のコンペにE-DESIGNと一緒に応募していた経緯もあり一際思い入れがあったりするのだ。
a0091712_1562725.jpg結局コンペでは手塚さんのチームが出した「キョロロ」に負けてしまったので、それを見に行きたいという想いもある。それで最初にキョロロへ行く事にした。
キョロロは外壁がコールテン鋼で出来ている展示施設で、周辺の風景にいい感じでなじみつつ違和感があって、たたずまいとしてはとても面白い。

a0091712_1555862.jpg中には周辺地域に息づく生物がそのまま展示してあったり、木材を使って工作が出来る場所などもありよく出来ている。個人的には大きく撮影された昆虫の写真がインパクトもあり面白いと想った。我々のプランでは屋外空間をかなり使える空間にしていたのだが、ここでは駐車場にほとんどその面積を取られているのが残念である。
次に松代の駅前にオランダの建築ユニットMVRDVの能舞台を見に行く。

a0091712_157673.jpg手のひらを伏せて中央を持ち上げたような形をしているこの建物は冬場には下のオープンスペースが全て隠れてしまうぐらいの量の雪が積もるらしい。
周辺には他のアート展示がたくさんあった。
施設の中も何人かのアーティストの作品がそれぞれ展示されていて、きっと地元の人はいきなりこんな施設が出来て面食らっただろうなと想う。
アートは力を持っている。それは時として暴力にもなり、また場合に寄っては何かを突き動かす力にもなる。
この大地の芸術祭がどちらへ動いたかは分からないが、とにかく何かが動いた事は間違いなさそうである。
僕も今度中越で大地に芸術を施すかもしれない。それは何かの力を持つのだろうか。それとも何の力も持たないままなのだろうか。
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by innerscape | 2006-10-22 01:35 | アート

フシミコードの最後の作業


a0091712_1105611.jpg船場建築祭でお世話になった伏見ビルの配管塗装に行って来た。
ビルそのものがかなり年月を経て痛んでいるので、インスタレーションをした時に随分と塗装をはいでしまったので、それの修繕をするまでが作品の一環なのではないかと想い、午後からペンキ塗りをする。

a0091712_113034.jpg塗り終えてみると元の状態よりも良い感じに仕上がり、インスタレーションの際に1日だけ与えられた命は、何事もなかったかのように静かにたたずんでいる。
こうして白いペンキを塗りながら想うのは、色んな手が加わりながらこのビルの歴史は進んで行くのだなと言う事である。人の手がその場所を汚す事もあれば、人の手が新たに加えられる事で次のステージへと進んで行くこともある。街も建物も同じなんだな。
船場建築祭当日のインスタレーションの様子を写真家の八久保さんが撮ってくれたので、遅ればせながら公開します。

graf服部氏とのコラボレーション→
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撮影:八久保敬弘
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by innerscape | 2006-10-21 01:01 | アート

軽く深い人

a0091712_3175963.jpgラボカフェプロジェクトのトークプログラムのためにドイツから西野達さんを御呼びしたのだが、結構気があってしまった。ラボカフェの会場も結構気に入ってくれたようで、何か一緒に出来ればという話も少しし始めている。今日はCSCDと大阪府現代美術センターが共同で発行しているフリーペーパー「plug」で先日行われたラボカフェを取り上げるということで編集会議をしたが、それが終わった直後に西野さんから電話があって、二人で夜の心斎橋で飲み歩くことになった。

a0091712_3172725.jpg西野さんは世界的に有名なアーティストで,ドイツ、スイス、イギリスなどで様々なプロジェクトをしていて、この間の横浜トリエンナーレや、銀座のメゾンエルメスの屋上などで作品を作っている。
外部にあるオブジェクトを見事に内部に持ち込まれたオブジェクトへ変換してしまう手法などは、これこそ世界の見方を変えるアーティストの本当の仕事だと思ってしまう。
そういう意味で前々から西野さんの作品には注目していていて、かなり感性も近いと思っていたのだが、そうしたアーティストとしての西野達以上に人間としてこの人はいい人だなと感じる。

純粋で屈託がなく、世界的に有名なのにとても謙虚だ。そして何よりも軽い(笑)。でもその背後には深く考える態度が見え隠れしている。
自分のロールモデルにするには少々リスキーだが、純粋に話していて生き方に共通点や共感できる部分が多い。来年から今のドイツ生活を離れLAへ行ってしまうが、また何か一緒に出来れば楽しいだろうな。
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by innerscape | 2006-10-19 03:01 | アート

普通に見えて普通ではない空間

a0091712_255895.jpg3日間に渡って行って来たラボカフェプロジェクトが終了した。
13日の夕方から15日の夜9時までの間に来場した人々は実に1700人を超える大盛況で、来てくださった方々には本当に感謝するあまりである。
その前の週には船場建築祭のインスタレーションで奔走し終了すればすぐにこちらの会場デザインの最終だったのでスケジュール的には涙が出そうなほどだったが、終わってみて満足のいくものが出来上がったと思う。
施行にあたっては、僕が設計したデザインに忠実に土嚢を1600個も積み上げ、クレーンやショベルの位置も寸分違わず据えていただいたJVの皆様に本当に感謝したい。

a0091712_2562762.jpg今回考えた事は工事現場にある素材で出来あがる空間だった。
通常こうしたイベントには外から新しく 何かを持ってきたり奇麗な素材を使って空間を作ろうとするが、僕はここでは一切そういうことはしたくなかった。
その現場にあるものを読み替えたり組み替えたりしながら最大限活用するという制約の中でクリエイトすることで逆に自由でその場所特有の空間が現れるのではないかと考えたからだ。

a0091712_256522.jpg実際に何かを加工して持ち込んだものはサインだけで後はすべて通常の工事現場で使用するものばかりである。
カゴ車とベニヤ板とトラ模様のテープを組み合わせたテーブル、土嚢を積んだベンチ、鉄骨と工事現場の床になる覆工板という鉄の板で組んだテーブルセット、足場と仮囲いを組み合わせた巨大映像スクリーン、バナーを吊るす10トンのクレーン、ゲートをつくるショベルカー、樹木に巻き付けられた工事用のチューブライトなど、どれもその現場で使われているものである。

美しい素材を持って来て美しい空間を作るのはすでに当たり前で、僕は普通は美しくないと思われているような素材でダイナミックな空間を作りたかったし、その方が訪れる人も楽しいと思う。奇麗なだけの空間に身を置きたいのなら新しく出来た商業施設へ行けばいい。でもこのラボカフェではそういったものは必要ないように思えた。
案の定、その上で展開される風景も非常に面白いものになったと思う。
全て僕の計算で作り込んだ空間だが、やってきたお客さんの中にはここが実際に工事が行われている工事現場だと思っている人も少なくはなかったのではないだろうか。

a0091712_2572314.jpg残念ながらこのイベントは3日間の限定なので、現場に行ってももうこの空間を味わう事は出来ない。
訪れていない人はとても残念であるが、どこかの雑誌やフリーペーパーなどでまたこの報告をするので是非手に取ってみて欲しい。
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by innerscape | 2006-10-15 02:45 | ランドスケープデザイン

工事現場の空気を楽しんで下さい

いよいよ明日(今日)から京阪電鉄の工事現場でイベントを行います。
今回僕はイベント全体のマネージメントとイベント会場の空間デザインをしましたが、かなりいい感じに仕上がってます。特に夜がいい感じですよ。

おそらく訪れた人はまだ途中の工事現場に見える事でしょうが、あれで完成です。
今回チャレンジしたのは工事現場ある資材を組み替えたり読み替えたりするだけで空間をデザインするという目論見だったのですが、あまりにナチュラルすぎてどこを作っているのか分からない人が居るかも知れません。
しかし。全て作り込んでおります。
行って、座ってみれば分かりますので(笑)。

明日の晩から3日間、中之島中央公会堂の南側でやってますんで、是非お越し下さい。
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by innerscape | 2006-10-13 03:43 | ランドスケープデザイン

新北浜駅(仮称)工事現場にて「ラボカフェ・プロジェクト」を開催!!

10月13日より3日間、大阪・中之島で開催されるイベント「中之島コミュニケーションカフェ」にて、「ラボカフェ・プロジェクト」を開催。
【開催概要】
■期間:
10/13(金)17:00〜21:00
10/14(土)12:00〜21:00
10/15(日)11:00〜21:00

■場所:
中之島公園内「新北浜駅(仮称)」工事現場

※詳細は、ページしたのチラシ(JPG形式)をご参照ください。

「ラボカフェ・プロジェクト」とは
科学技術・減災・医療・看護・福祉・アートなど、多岐に渡る分野のメンバーで構成するCSCDが、社会の様々な組織とコラボレーションしながら、カフェという環境装置をラボラトリー(実験室)的に用いて、主題に応じた研究/開発を繰り広げるプロデュース事業です。

【プログラム】
様々な人が行き交う駅。その建設現場をカフェ風のコミュニティー空間に変容させ、テレビ番組ディレクター、土木写真家、アーティストをゲストに迎えて、経済、技術、アートに関するトークや、対話プログラム「哲学カフェ」、阪大生によるプレゼンテーションなど、様々なプログラムを通じて新たな駅について語らいます。


■カフェ:エコノミーク 「テレビ屋が見たマネー革命」
世界初の先物取引誕生の地「中之島」。この地に元NHKディレクターで現在は映像作家として活躍する相田洋氏をゲストに迎え、自作のドキュメンタリー『マネー革命』を通じて、国際金融市場の背後でなにが起こっているかに迫ります。
開催日時:10/13(金)18:00〜20:00
ゲスト:相田洋氏(元NHKディレクター・映像作家)
コーディネーター:春日匠(大阪大学CSCD特任研究員)
※無料/定員50名(当日先着順)

■カフェ:フィロゾフィーク 「駅とはどのような場所か?」 
昔から駅は人と人を出会わせ、結び、交わらせてきました。単なる便利さや機能性の観点からだけでなく、駅をモチーフに、当日の参加者の意見によって問い/テーマをさらに絞り、公共空間の意味を考えてみます。※ 哲学カフェの主役は参加者のみなさんです。哲学の知識は必要なく、誰でも参加できます。
開催日時:10/14(土)14:00〜16:00
コーディネーター:本間直樹(大阪大学CSCD助教授)※ 協力:カフェフィロ
※無料/定員50名(当日先着順)

■カフェ:テクノロジーク 「トンネルを撮る」 
土木写真家として活躍する西山芳一氏をゲストに迎え、「都市を支える土木建築物としての地下空間+トンネルを 知る」をテーマに、技術的観点や技術者の紆余曲折などにもふれながら、北浜再開発についての興味を喚起します。
開催日時:10/14(土)19:00〜21:00
ゲスト:西山芳一氏(土木写真家)
コーディネーター:八木絵香(大阪大学CSCD特任講師)
※無料/定員50名(当日先着順)

■カフェ:アーティスティーク 「アーティストの未完の駅の使い方」
「横浜トリエンナーレ2005」で中華街の東屋を「ホテルヴィラ 会芳亭」に変容させ、銀座エルメスのオブジェを「天空のシェリー」で作品化して話題をさらったアーティスト西野達氏をゲストに迎え、自作のプレゼンテーションと共に本現場でのアートプロジェクトの構想を語って頂きます。
開催日時:10/15(日)19:00〜21:00
ゲスト:西野達氏(アーティスト)
コーディネーター:木ノ下智恵子(大阪大学CSCD特任講師)
※無料/定員50名(当日先着順)

■学生プレゼンテーション 「阪大生による駅でのアートイベントの可能性」
阪大生の有志が授業の一環として取組んだ、新北浜駅をテーマにしたアートイベントの企画立案について、プレゼンテーションを行うと共にコメンテーターや参加者の方々と駅の未来像について語り合います。
開催日時:10/15(日)13:00〜15:00
※無料/定員50名(当日先着順)

■「アンダーグラウンド・アーカイブス」
普段、私たちが目にすることのできない地下鉄工事の記録映像を大型スクリーンに投影します。新しい駅や線路がつくられてゆくプロセスをゆっくりとご覧ください。※協力/NPOremo
開催日時:10/13(金)14(土)15(日)18:30〜21:00

■くつろぎの空間の演出要素としてケータリングカーのカフェをオープン
開催日時:10/13(金)14(土)15(日)
協力予定:(株)BENE TuTTo

【企画制作】
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)
ワーキンググループ代表 平田オリザ
総括ディレクション 木ノ下智恵子
空間ディレクション 花村周寛
広報ディレクション 清水良介、
映像ディレクション 久保田テツ
制作協力:NPOrecip[地域文化に関する情報とプロジェクト]

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by innerscape | 2006-10-13 00:43 | インフォメーション

デザインの言語化について

今日はCSCD全体ミーティング。
今進めているデータハンダイというプロジェクトを客観的に分析する「メタデータハンダイ」の発表をお願いされていたが、時間の都合上来週に回すことになった。
CSCDの紀要論文集的なものにあたる「オレンジブック」が年度末に発行されるがそれに向けての討論会が持たれて、本日はプロダクトデザインやCIに関わってこられた工学部の尾方さんのお話があった。
お話を聞いていると大学の教育としてのデザイン言語化、デザイナーとしての大学への参加の仕方など共感できる部分が非常に多い。

一般にまだまだデザインとアートが混同されているのだが、デザインとは明確に機能や目的にスコープが当てられている創造行為である。
同じ椅子というアウトプットが仮に出て来たとしても、「座るためのもの」を作るのがデザインで、「座ることもできるもの」を作るのがアートである(もちろん使用者からするとさほど違いはなかったりするが・・・)。
同じクリエイティブな行為でもベクトルの向けられ方が180度違うと思っている。(ランドスケープデザインは目的が無い事が多いので、そのどちらの特性もあるのだが・・・。)
今までデザインの分野ではそのアウトプットの理由を感性という訳の分からない部分に預けて来ていた。つまり説明することを怠ってきたとも言える。その事への反動として、やはりもう少し理論のメスをそこへ入れて説明して行く必要があるだろうと思うし、そのような事を目指してデザインの言語化を目指している川崎和夫さんや緒方さんの活動には非常に共感できる部分がある。
今日はそんな議論をしていたのだが「言語化」という部分に皆さんやはりひっかかりがあったようだ。
一口に言語化といっても様々な言語化がある。その事を混同して議論してもちっとも整理がつかない。
クライアントに対しての「説明としての言語」
プロパガンダなども含めた「表現としての言語」
説明することで付加価値をつける「商品としての言語」
デザインされたものに対しての「解釈としての言語」
次のクリエイティビティへの蓄積となる「構築としての言語」
など様々な言語化があるのではないだろうかと思う。
そこの部分が混同されて議論されていた印象がある。

しかしデザインの本質的な部分として言葉によって説明されてしまうことの不毛さというのも一方である場合がある。僕はそれを内藤廣が言っている「意気地なしの建築」という言葉で説明した。
いくら言葉によって意味付けをしてみても実際に使用していて感じたものが全てであるのに、それを一生懸命説明しようとすることの弱さ、意気地なさ。最終的なカタチの責任を引き受けれず言葉によって武装しないと価値が下がってしまうがごとく振る舞われるビビリのデザインがいかに多い事か。そのことへの嫌悪感もよく理解できる。

ではなぜ言語化するのかという問題も一方で残っているが、社会的な説明責任があったという理由もそこにはありながら建築分野では教育や研究的側面で割合昔からそういう事をやってきた。言語化されることで、教育という局面では学べることはたくさんあるのである。僕自身、言語化されたものの中からどれほど多くの事を学んで来たか。作り手側の論理と感性で言語化されたものがそれを読む作り手の感性を磨いていく事がある。
優れたデザインとその作り手の言葉には必ず社会への問いかけが答えとセットで提示されていて、それは仮説と実験結果のように蓄積されていくものであると思う。

もう一点、大学でのデザイナーの果たすべき役割とは何かということについても議論された。僕自身明確に持っているのは、次のデザインの可能性を提示して行くという事に尽きる。
民間に身を置くと市場原理という制約の中でしかやはりモノを作る事は出来ない。いくら将来的な可能性がある提案にせよ、マーケットやクライアントの要求がそれに合致しなければそれが実現に移される事はない(もちろん民間でも第一線で問いかけをしている優れた実践者もたくさん居るのは言うまでもない)。
だから大学に身をおくデザイナーの役割は自らがクライアントになりスペックを決め、次の社会や生活スタイルをリードするような可能性のあるプロダクトや空間やグラフィックを実験的に提示して行く必要があると思う。それは具体的なニュアンスとしてはアイデアコンペで応募されてくるようなものを実際に作ってみるということである。
そこの部分をはっきりとさせておかないと、ただの内部発注の御用達便利屋になりさがる可能性はないだろうかと危惧する。

そのあたりも射程範囲に含めた「デザインの言語化」という行為の必要性も感じるので、僕自身このブログも含めて実践していければと少し思っている。
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by innerscape | 2006-10-11 23:17 | コミュニケーションデザイン

与えられた儚い命

船場建築祭が終了した。
4つの近代建築とシンポジウム会場の合計5つの場所で行われたが、話を聞いていると結果はひとまず成功と言えるのではないかと思う。
僕が今回インスタレーションさせていただいた会場の伏見ビルでも1日だけで240人の来場者を超すような大盛況だった。
結局たった1日限りで作品は撤去したが、多くの方に何かを感じていただけたということで充実感を感じている。グラフの服部氏がされた詩のインスタレーションも僕のものと合わさり場のイメージアビリティを高めていたと思う。
今回は、登録文化財である近代建築でインスタレーションさせていただいた船場アートカフェに感謝するとともに、制作を支えてくれた多くのボランティアスタッフに感謝したい。そして何よりも46年間もこの場所を守り続けてきたオーナーの上村さんの存在無しでは作品そのものが成立することは無かったと思う。
本当に感謝するあまりである。

作品の記録については写真家の八久保さんにお願いしてずっと撮ってあるので追って公開しようと思うが、ひとまずは朝日新聞の取材で来られたフリーカメラマンの山崎さんから写真をいただいたのでアップしたいと思う。
以下は会場で配られたコンセプトペーパー。

____________________________________

インスタレーションと呼ばれる行為の意味を今でもずっと考えている。
何かをその場所に“挿入する(インストール)”ということを意味する言葉だが、単に作品を設置するという意味ではなく挿入されたものを通してその空間で発見される“何か”が大事なのだと思う・・・。
もともとホテルとして建てられたこのビルを現在のオーナーの上村さんが手に入れてから半世紀近く時を経ている。その間ずっと竣工当時の空間性を出来るだけ維持しようとして色々と手を尽くされたそうで、今でもこの伏見ビルが柔らかい空気感を保っているのは上村さんのそうした努力の積み重ねの他ならないと思う。
この場所に身を置いてそのことを僕がもっともリアルに感じたのは、白く滑らかな壁面でも当時から維持されている特徴的な外壁でもなく、実は壁を縫うようにして這う設備配管だった。
通常はこうしたインフラは建物の表面や内部を飾るにはふさわしくないモノとして排除されがちである。あるいは視界には入っていても無いものとして眺められている。でも特にインフラが整えられる以前の近代建築には後から付け足されて行くパイプやコードの這いずり回る様相は僕に生きる事へのリアリティを感じさせる。
もちろん雨風を防ぐシェルターとしての建物が文化的な美しさを持つ事が重要なのは当然であるのだが、それ以上に今の僕たちの現代生活は都市と直結した配管を通じてやってくるガスや水道、電気などのエネルギーや情報インフラに依存して営まれている。そのことはこの建物を美しく維持するという理由以上に生きていく上で切実な要求がある。だからこそ苦労しながらも上村さんが受け入れてきた配管には嘘や捏造がなくリアルに映るのだ。
それは人に例えると皮膚や顔の表面よりもその下に薄く見えている血管の方に生命を支えているリアリティを感じるのと似ているかも知れない。あるいはこの伏見ビルの隣に建つ青山ビルの壁面を伝うナツヅタのように、建物の意匠の一部になっていることとは無関係に光を求めて成長していく自然のリアリティと同じなのかもしれない。
そんな想いで、普段は無視され僕たちの意識から外れがちな存在であるこうしたパイプやコードたちに僕は今日一日だけこっそりと命を与えてみた。
さて、その命を通してあなたはここで何を発見するのだろうか・・・。

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(c)山崎虎之介
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by innerscape | 2006-10-08 01:22 | アート

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

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