flw moon innerscape


私的風景の電脳記録
by innerscape
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

太平洋上で

もう何回目か忘れてしまったが、またアメリカへ向かうことになった。
確か最後に訪れたのは昨年のマンハッタンだったと思う。
その時はサンフランシスコから途中オクラホマとテキサスへ立寄り、マンハッタンへ入ったはずだ。
今回はグループダイナミクスの研究者達と一緒に行く調査旅行で、西海岸とニューメキシコを中心に回る予定を組んでいる。

3人の研究者と関西国際空港で落ち合い、軽く食事を済ませてからいつものようにセキュリティチェックを受け、ゲートへ向かう。
ゲートの待ち合いではすることもないのでぼんやり周りを観察してみる。
日米両方交えたビジネスマンの一団、旅行らしき老夫婦、日本から帰国するであろうアメリカ人の若い夫婦...。
そうしていると賑やかな音を立てながらアメリカの高校生らしい一団がやってきた。
総勢で15人ほど。
皆ごつい身体つきだが、顔には幼さが残っている。
そんな子供達の間をでっぷりと太った男性が忙しそうに飛び回っている。
引率の教師らしい。
どうやら修学旅行か何かで日本にやってきてその帰りなのだろう。
待ち合いにいる人たちは賑やかな一団を煙たがる様子も無く、みな淡々と時間を待っている。
まもなくして搭乗の案内があったので僕たちは飛行機に乗り込んだ。

僕だけ他の3人とは今回の旅程が異なり最後のサンタクルースでの4日間を繰り上げて早く帰国する。
そのせいか僕だけが座席番号が違うようだ。
後ほどと言いながら3人を通過し後部へ移動する。
座席は真ん中の列の通路側で、荷物を上にあげてふと見下ろすと、先ほどの引率の教師が隣に座っている。
周りを見渡すとどうやら僕の座席は先ほどのアメリカハイスクールの一団に包囲されているようだ。
賑やかなフライトになりそうだ...などと考えている間に飛行機は大地を離れて空へと飛び立った。

6時間ぐらい経っただろうか。
どうやら眠り込んでいたようだが...。
窓の外はもうすっかり暗くなっていた。

何となく機内食のメニューなどを見ているとふいに周りが騒がしくなってきた。
隣の教師はしばらく学生達につぶやいた後、僕に座席を代わって欲しいと頼んできた。
快く席を代わると、教師は大きな身体を揺らしながら座席から這い出てどこかへ行ってしまった。
高校生達は不安気な表情を浮かべているので、何があったのかと隣の高校生に事情を聞いてみた。
どうやら生徒の一人が呼吸困難になったという。
それも僕の座席の列の反対側の通路席の生徒のようだ。
身をうずめている生徒が苦しそうに大きく胸で呼吸し、シートに身をうずめている生徒の横にいつのまにか先ほど出て行った教師がついていた。

客室乗務員が乗客の中にドクターがいないかどうか呼びかけている。
それに応じてアメリカ人の夫婦が手を上げて座席から出てきた。
そのスキンヘッドのドクターは生徒の胸に手を当てて診察を始めた。
飛行機の中を緊張が包んでいる...。

一通り状況を把握したドクターは飛行機の中ではこれ以上処置を続けることが出来ないと判断したらしい。
座席の前にあるモニターを見ると、表示された飛行機の現在位置は太平洋の上だったが、飛行機は既に反転して日本へ機首を向けている。
ここから東京へ引き返してそこで生徒と教師を降ろして他の生徒はアメリカへ戻るというプランになりそうだ。

確かに雲の上で発作が起こったり、発病したりするとどうすることも出来ない。
飛行機は船とは違って、燃料が無くなっても浮いていることは出来ないので引き返すか、そのまま進むかを即座に判断しなければいけないのだ。
科学技術が進んで安全快適に空の旅に出れるとはいえ、旅の本質は危険なのだと改めて感じる。

教師は生徒達から小銭を集めている。
きっとほとんど全てドルに換金してしまった後なのだから空港から病院までのタクシー代も無いに違いない。

数時間後、成田空港で呼吸困難に陥った生徒と教師の二人が下りて行った...。

出発してから10時間近く経っていたが、まだ日本から出ていないという計算に旅の行く末の不安を感じるが、
太平洋上で飛行機が引き返すという珍しい体験を初めてした僕は軽く興奮を覚えていた。
[PR]
by innerscape | 2007-04-13 01:56 | 出来事の風景

「地震EXPO」に出展しました

本日から横浜BankARTというアートセンターで1ヶ月「地震EXPO」が開かれます。
そのEXPOにCSCDの減災チームと一緒に半年かけて作成した防災についてのストーリーブック「いのちをまもる智恵」も出展しました。
この地震EXPOは非常に画期的な展覧会で、今までの防災へのアプローチとは全く違う角度から取り組もうとしています。
我々の展示以外にも、防災グッズのショップやコンペ、被災体験を映像やアニメーションにした手記変換の展示、身の周りにあるもので簡単に出来る仮設の建築など面白い展示がたくさんあります。
是非皆様足をお運び下さい。

a0091712_1345779.jpg

[PR]
by innerscape | 2007-04-06 01:33 | インフォメーション

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

フォロー中のブログ

最新のトラックバック

cat play cen..
from cat play centres
farmers insu..
from farmers insura..
dirtrunnr.com
from dirtrunnr.com
canada goose..
from canada goose o..
http://www.a..
from http://www.air..
air max 1
from air max 1
nike air max..
from nike air max 95
air max 2013
from air max 2013
air jordan xx9
from air jordan xx9
mincir-intel..
from mincir-intelli..

ライフログ

検索

タグ

ファン

ブログジャンル

画像一覧