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この連休は久しぶりの映画撮影。
随分と芝居していないので、久しぶりの現場の空気感を堪能した。
今回は浦山陽子さんという女性監督とご一緒させて頂いた。
この方は脚本家としてデビューされてから、冨樫森監督や、熊沢尚人監督などの商業映画の脚本を書いておられた方。
10年ほど前に身体を壊されてから静養されていたが、今回は自主制作映画の監督としてこの♭で「株式会社恋文印刷所」を作られることになった。
僕が割と自主制作映画に希望を失いかけていた半年前にお知り合いになったが、非常に感性の鋭い方で自主制作映画監督の中にもこうした感性の方が居られるかと少し光が挿して来た。
僕は単なるキャストとしてではなく、まずは人物や表現についてのディスカッションを重ねる所から作品作りがスタートした。
僕自身は自分自身のアートの表現の時にも同じ事をクライアントに求めるがが、監督と俳優とが共犯関係を結べるスタイルの方が好きだ。
商業映画もやってはみたいが、既にイメージが固まった脚本に単にキャストとしてだけ呼ばれるのはどうも表現を掘り下げるのが難しいといつも感じるからだが、それは己の未熟さの言い訳に過ぎないかもしれない。
今回は短編という事もあり、2日間の早撮りだったが、現場は驚くぐらいスムーズに撮影が進んだ。
一日経ってようやく自分の役がクランクアップした実感が湧いて来た。
この映画では不思議とほとんど役作りはしていないし、1年ぶりの撮影現場とブランクがあったので自分の芝居もどうなるか分からなかったが、現場の空気がとても良くて演技に集中することが出来た。
上の2枚の写真は一番うまく表現出来たであろうシーン19のワンカット。
8分の長回しの1テイクのみの真剣勝負のショットだった。
フォーカスなどの技術的な問題はあるにせよ、演技としてはかなりうまく行ったと思う。
もちろん台詞や段取りもある演技としてやっているが、そこに現れてる感情がフィクションであってはならないといつも思っている。
俳優というのは因果なもので、自分の頭と身体を素材にして心や感情をデザインせねばならない。
普段からいつでもこうした感情を取りだせるように日々訓練しているが、コントロールを誤るとアイデンティティが脅かされる状況にもなる。
僕は割と突き放して考える事が出来るようになってきたが、相手役を追いこんでしまうようならば途中で止めようかとも考えていたシーン。
だがギリギリのところで踏みとどまって良いシーンになったのは、相手役の精神力を信じたという事と、現場の暖かい空気の賜物だと思う。
下の写真は印刷機を前にしたシーン。
特に活版印刷機を題材にした映画は前々から作ってみたかったが、♭の一階にある上田印刷所さんのご協力もあって、撮影も順調に進んだ。
印刷機と向き合うシーンは自分としても一番思い入れのあるシーンだったので、忘れられないショットになりそうだ。
5年前に♭を始めたときには何の関心も無かった活版印刷機。
たまたま見つけたスペースの一階に入っていただけの邪魔な機械だった。
しかしそこで働く活版印刷職人の上田さんとほぼ毎日のように対話をして、色々と話を聞くうちに、活版印刷機というものの価値に気づき、メディア史の中でもかなり重要なものだと知ってから、ここをどうやって守ろうかと考えていた。
もう出会ってから5年経つので上田さんも77歳になる。
今回は僕が印刷機を動かす職人の役をやらせてもらったが、このシーンはかなり切ない感情がわいて来た。
いつか自分もここを立ち去らねばならない時にきっと同じような気持ちになるのかと今からシミュレーションする。
この♭を巡ってもう5年色んな映画監督と短編映画を撮影しているが、既に4本溜まった。
この印刷工場を題材にしたのは初めてだったが、一際自分の中では思い入れの強い作品になりそうだ。
撮影は10月に入ってからも一部続くようだが完成が楽しみだ。
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by innerscape
| 2013-09-22 22:00
| 映画と演劇
次の日曜日の8月11日は私の実弟が亡くなって丁度二ヶ月になります。
「七墓巡り」という場において表現する機会を頂く事が出来ましたので、誠に個人的ではありますが18時より♭にて皆さまの前で弟の二ヶ月の弔いを表現させて頂ければと想います。
当日にうまく気持ちが整理出来るかどうか次第ですが、現在考えておりますのは二つです。非常に個人的でしかも重たい出来事ですので、表現内容に気分を害される方が中には居られるかもしれません。
少しだけ表現について事前にアナウンスをさせて頂きますので、内容ご理解頂いた上でご参加をご検討頂ければと想います。
一つは弟の訃報を受けてから葬儀を執り行うまでの10日間を克明に記した手記「弟と過ごした最後の10日間」の一部の朗読をすることを考えております。
この手記には兄が弟の死をどう受け止めているのかという極めて個人的な想いが書かれています。
弟の死とそれを巡った様々な気持ちのやりとりをお集りの皆さんと共有出来ればとの想いで読み上げますが、その中では自ずと宗教や結婚や文化の違いなどについて触れる事になります。
ただあくまでも表現者個人のまなざしの開示であることご理解頂ければありがたいです。
もう一つは分骨し手元供養の準備をするために、父と弟の遺骨を皆さまの前にお見せすることになるのではないかと思います。
粉砕されてはいますが、人間の骨を目にするというショッキングな風景になると思いますので、事前にアナウンスさせて頂ければと考えております。
その後「七墓巡り」として陸奥さんのご案内で梅田墓跡へ行く事を考えています。
このような機会をお借りして、私と実弟に対する誠に個人的な弔いの場とさせて頂くのは身勝手かと存じますが、個人的なまなざしから何か皆さんと共有出来るものを問いかける機会になればとの想いで執り行う事を考えております。
どうぞ上記ご理解頂ける方のみご参加頂ければ幸いです。
ハナムラチカヒロ
イベントのご参加は以下からよろしくお願い致します。↓
https://www.facebook.com/events/206154612872998/
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by innerscape
| 2013-08-11 18:00
| インフォメーション
2013年度の前半期で僕が最も力を入れているプロジェクトである「モエレサマーフェスティバル2013」の開催が遂にあと10日となった。
このフェスティバルはタイトルについているように、言わずと知れた札幌の「モエレ沼公園」で開催される。
ここで僕は「モエレ星の伝説」という作品を来週送り出す。
ランドスケープアーティストの先達であるイサムノグチの遺作とも言えるこのモエレ沼公園で、僕が作品を作らせてもらえる機会が訪れるとは思ってもみなかったが、今回プロデュースを担当される鳥本さんから上海でお話を頂いた時に二つ返事で引き受けた。
モエレ沼公園は札幌市の公園だが、このフェスティバル自体は昨年から地元の実業家の皆さんによる有志で花火が行われ、昨年は1万人近くの人が集まった。このフェスティバルの実行委員の皆さんは、チケットを手売りしたり、近隣への挨拶回りを一件ずつ回ったりと地道な努力をしておられて、こうした祭りを端緒に本気で地域プロデュースを考えて行きたいという想いを持っておられる。
そうした想いに共感する部分もあってお引き受けする事にした。
今年は実行委員以外にも僕のような外部のプロデューサーやディレクター、アーティストを迎えて本格的に実施する第一回目で、僕は鳥本さんと一緒に花火含めたイベント全体の総合演出及びクリエイティブプロデュースとインスタレーションという関わりとなる。
元々はインスタレーションするアーティストの1人として呼ばれていたが、ある限定された範囲でする作品制作というカタチでは自分のメッセージを伝えられないと想い、いつものように色々と提案しているうちに、プロデュースや全体演出まで結果的にさせていただけることになった。
実行委員の皆さん及びプロデューサーの皆さんの懐の深さに甘えさせて頂いている。
僕がお話を頂いたのは2月末で、現地調査に行ったのが4月頭、そして本番は7月27日という突貫のスケジュールだが、本当に色んな課題や混乱した情報や方向性に整理がつかない中で、アーティストや演出チームの皆さんとベストを尽くして来たつもりだ。
実行委員長や副委員長を始めとする実行委員会の皆さんとの想いの共有はもちろん、総合プロデューサーの阿座上さん、一緒にプロデュースをする鳥本さんとともに、北海道在住のアーティストの磯崎さんや、上海在住の作曲家の林さん、実行委員の一人でもあるグラフィックデザインの黒川さんなど素晴らしいアーティストの方々のディレクションをさせていただいたのは本望だ。♭のアーティストもパフォーマンスに加わる。
また花火については東京の丸玉屋さん、北海道のヤマニさんなど経験豊富なプロフェッショナルのチームの技術力に甘えて、無茶な演出リクエストをたくさんさせて頂いた。
正直、本番どうなるか自分でも読めない部分もいくつかあり、かなりチャレンジングなことをしているが、もしイメージ通り全てうまく行けば今までに例を見ないような「物語花火」という新しいジャンルのパフォーマンスになるのではないかと思う。
なぜモエレ沼公園でこうしたフェスティバルをするのかということの意味について、お話を頂いてからずっと考え続けて来た。それは祭りとはいかにあるべきかということを自分なりに考えるプロセスでもあったと言える。
僕らは日常をしっかりと生きることが重要だ。
その日常をしっかりと過ごすためにハレの場としての非日常な祭りを本来は行う意味があったはずだ。
しかしどうも今の社会を見渡してみると非日常が日常のフリをして居座っているように思える。
刺激に満ちた非日常が日々与えられるので、あんぐりと口を開けて待っている態度が当たり前になる。
自分が何を愛していて何に傷ついていて何に哀しみと喜びを感じるのか。
人が生きていく上で大切な問いにじっくりとまなざしを向ける余裕がないぐらい色んな情報や目の前のことに追い回される日常を送ってはいないか。
そしてそれを何度も繰り返している内に、少々の刺激では満足出来ない身体と心になってしまうのではないか。
そんな現状に危機感を感じている。目の前のことしか見ていない日々では自分の身の回りの小さな範囲でしか物事を判断しなくなる。
子孫に何を残せるのか、社会に何が貢献出来るのか__。
そういう大きなスケールで物事を考えることが本当に少なくなるから、目の前のことに一喜一憂を繰り返すのだと思う。
このモエレ沼公園では地球や宇宙といった普段の日常では感じることの出来ない大きなスケールの風景に触れることで自分のスケールを越えた出来事へ想いを馳せる。ことをきっとイサムノグチはメッセージとして伝えたかったに違いない。
そのことをちゃんと感じ取るために一年に一度、ここで自分の身体や内面と向き合う不思議な「浄化と祈りの時間」を持てるようにすること。
それの体験が日々の自分のまなざしを変革することに繋がっているのではないかと思う。
我々が日々押し込めようとしている哀しみや喜びをちゃんと思い出して、それを確認するための祈りをこの地に刻む。
そういう内面の体験を経ることで私たちは日常をまたしっかりと生きる事へ繋がるという願いをこのフェスティバル全体に込めたつもりだ。
花火やアートやインスタレーションは主役ではなく、そういう体験の後押しをするためのものであってほしい。
そう考えてこの夜のイベント全体を「モエレ星の伝説」という大きな物語に乗せたインスタレーションにした。
もともとゴミの埋立地だったこのモエレ沼公園にランドスケープアーティストのイサムノグチが初めてきた時に彼はこう言ったそうだ。
「ここにはフォルムが必要です。それは私がやるべき仕事です。」
それから20年以上が経ち、同じランドスケープアーティストである僕の気持ちはこうだ。
「ここにはメッセージが必要です。それは私がやるべき仕事です。」
うまくそのメッセージが多くの人に伝わることを祈っている。
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by innerscape
| 2013-07-27 17:00
| インフォメーション
学芸出版社が運営しているサイト「学芸カフェ」の7月号のインタビューとして活動を掲載して頂きました。
先月はイタリアの人気TVドラマシリーズ「R.I.S」で主演女優されている市川純さんでした。
バックナンバーも豪華なインタビュー陣ですので是非ご覧頂ければと思います。
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by innerscape
| 2013-07-10 15:05
| インフォメーション
3月22日に神戸電子専門学校で行われた「神戸モトマチ大学Sparks!」に出演した時のアーカイブ映像が完成したとのお知らせを受けた。
映像はこちら
このSparks!はTEDのようにヘッドセットを付けて自分の活動のプレゼンテーションをするというものだが、前々からやりたかった一人芝居型プレゼンテーションのような仕上がりにしようと企んで稽古をしていた。
講演は常々あちこちでやっているので、内容は頭に入っているが、今回は20分しか時間がなかったこととと、もう少し言葉や手触りを洗練させたかったので、台本を起こして、演出家を入れて台詞を全部頭に入れながら稽古をして仕上げた。
演出家としてPAN///の伊藤拓さんに入ってもらったのだが、維新派の松本雄吉さんが演出を手がける寺山修司の舞台「レミング」の演出助手として途中から東京へ行ってしまったので、途中からはSkypeで稽古するという状態だった。
常磐貴子さんや八嶋智人さんなどベテランの俳優さんの稽古の合間に大阪に居る僕のような役者の演出つけてもらえるのは気がひけるがその分励みになった。
このプレゼン、4月に関西外大で行なわれたTEDxKGUで同じものを公演させていただいて、そちらの映像の方が早かったのでご覧になった方も居られるかもしれないが、最後にちょっとした仕掛けが出て来る。
いつもの僕の講演をお聞きの皆さんも、今度は公演として楽しんでいただければ幸いだ。
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by innerscape
| 2013-07-10 14:56
| 映画と演劇
私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
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