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私的風景の電脳記録
by innerscape
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哲学とイメージ

哲学とイメージ_a0091712_5565028.jpg哲学者の鷲田清一氏のお誘いで、毎週金曜日の午後の3限4限に哲学の授業を受け持つことになった。正確に言うと哲学というよりも『アートリテラシー』、アートやイメージの読み取りについての授業である。
鷲田さんと僕と同僚の久保田テツ氏の3人で映像や音楽や空間や絵画など様々なイメージを巡って毎回ワークショップを行うという内容である。
今日はその第一回目で、鷲田氏がこの授業の狙いについて話をする。
最近鷲田氏は『〈想像〉のレッスン』という本を出したばかりで、そこでも触れられているが鷲田氏は人が見るものは一体何かと問いかける。

たとえばそこにある箱を見てみる。
ここから見えるのはこちら側に顔を向けている一面だけである。
手にとって色んな角度から見てみてもそれは同じで、その都度見えているのは常に箱の一部である…。

哲学とイメージ_a0091712_557975.jpg僕たちは何かを見るときに同時に全体を眺めることが出来ない。
常に僕たちが見ることが出来るのは、その時にこちら側に顔を見せている一部である。
でも僕たちはそれが何かということを把握することが出来る。
それは一体なぜか。
あるいは一筆書きで描いた似顔絵がある。
人間の顔は複雑で決して一本の線で出来ているわけではないが、一筆書きの似顔絵は驚くほどその顔によく似ている。
それは一体なぜか。

それは人にイメージする力があるからである。
そもそも顔というのをはっきりと思い出せない。
何となくぼんやりと思い出すことができるが、目がどんな形をしていて、鼻がどんな形をしていて、口はどんなバランスでついているのかをつぶさに思い出すことが難しい。
これは人の顔がイメージで把握されているからであると鷲田氏は語る。
イメージとは一体何なのだろうか。

哲学とイメージ_a0091712_5573552.jpg今回のこの授業ではイメージを読み取り、それを巡って対話するということを目指して色々と実験的なことをしていきたい。
そのためのツールとして今回用いようとしているアートが一体何なのかを鷲田氏含めて一緒に考えていければと思う。
by innerscape | 2005-10-14 05:52 | コミュニケーションデザイン

私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?

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