flw moon innerscape
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田辺映画祭3日目
朝、ホテルのロビーで「もう僕らは帰れない」の藤原監督と出会ったが、そのまま田辺を後にして山形の映画祭へ飛び立たれた。山形映画祭のクロージングで同時に手がけていた作品「映画は生きものの記録である—土本典昭の仕事ー」が流れるということでそちらへ行かれた。
●「妻の愛人に会う」
キム・テシク監督の作品。主演は当センターの平田オリザ氏とも共同演出した事のある韓国の有名人パク・クァンジョン氏で、なかなかいい味を出している。少し遅刻して途中からしか見れなかったが、映像と音楽がとても官能的で引込まれる。特に、寄りの絵(アップの絵)がアーティスティックに映し出されていてドキッとする。不倫モノだけあってかなり際どいシーンもあったのだが、とても美しく描かれているので嫌悪感などは全くなく、奇妙なリアリティがある。演じるならばこんな作品にじっくりと取り組んでみたいものだ。
●「観察 永遠に君を見つめて」
「イヌゴエ」などを手がけた横井健司監督の作品。これも非常に構図と映像が美しい作品だった。緒川たまきさんなど有名俳優が出演した作品ということ以上に、ストーリーとマルチプロットの構成が面白い。
望遠鏡でずっと観察する男と観察される女性という通常であれば変質的な関係を、見事なまでに美しくかつ奇麗に仕上げているのは流石に商業映画などを多く手がけられているプロの技だと感じた。
劇中で出て来る「山賊の唄」(だったかな...?)がとても印象的に使われていて、ずっと頭に残っている。
●「半身反義」
今回の上映作品の中で唯一の女性監督である、竹原佳世監督の作品。不思議な作品だった。ドキュメンタリーと劇中劇の二つからなっているが、途中からその二つの世界が倒錯して行き、とてもコンセプチュアルでアーティスティ行くな結末に繋がって行く。個人的には砂漠や砂浜をモチーフにした構図がとても美しいと思った。特に、夕焼けをバックに枯れ木と人のシルエットがあるシーンと、走って来た大人をカメラがパンすると子供に変わって裸で砂浜を走って行くシーンはとても印象に残っている。
●「熊楠 KUMAGUSU」特別上映 パイロット版
15年ほど前に田辺で撮影された幻の映画。和歌山が生んだ天才南方熊楠を描いた作品だが、途中で予算が無くなり撮影中止になったという作品だ。30分のラッシュ映像だったが、完成していればきっと日本の映画史に残るような傑作になっていたに違いないと感じた。森の深淵な感じが見事なまでに映し出されている。ラッシュ映像だけでも必見の価値はあった。
その後、映画検定一級の方々、特別審査員の方々による審査がある。
会場は浜辺の特設ステージへと映され、そこでの表彰式となった。
結果としては特別審査員賞にキム・テシク監督の「妻の友人に会う」が選ばれ、映検審査員賞に横井健司監督の「観察 永遠に君を見つめて」、市民審査員賞に「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」が選ばれた。
どれも優れた作品だったのでどれが選ばれても良いと感じた。
その後、打ち上げ会場へ移動する時間まで小一時間ほどあったので、横井監督と細川監督と僕と出店のたこ焼きなどほおばりながら少し待つ事にした。
横井監督は東京ではヤクザ映画なども撮っているという話も聞けて、また「観察」とは違った一面も覗いてみたいと思った。
そうこうしている内に弁慶祭を締めくくる花火が会場に打ち上げられて映画祭も幕を下ろした。
打ち上げ会場、そして2次会と4時まで宴は続いた。
映画検定の方々と話す機会があったので、色々と作品の感想などを聞いてみる。
細川監督の「ヤリタイキモチ」は技術的なクオリティに問題があったものの、将来への期待度では抜群だったらしく、次回作も是非見たいとのお言葉を色んな方から頂いた。また僕の演技もかなり細かく覚えて頂いて頂いていたみたいで、お世辞とは言え主演男優賞の言葉はとても嬉しい。
何より、こうした映画祭で様々な方とメッセージを交わす事が出来、それも互いの作品を見合うという通常よりも深いコミュニケーションを図る事が出来たのは我々にとって大きな収穫だったと思う。
2次会では細川監督との次回作の話で盛り上がったので、今度はもう少し技術的な面で充実したスタッフと組んでまたチャレンジしたいと思う。
●「妻の愛人に会う」
キム・テシク監督の作品。主演は当センターの平田オリザ氏とも共同演出した事のある韓国の有名人パク・クァンジョン氏で、なかなかいい味を出している。少し遅刻して途中からしか見れなかったが、映像と音楽がとても官能的で引込まれる。特に、寄りの絵(アップの絵)がアーティスティックに映し出されていてドキッとする。不倫モノだけあってかなり際どいシーンもあったのだが、とても美しく描かれているので嫌悪感などは全くなく、奇妙なリアリティがある。演じるならばこんな作品にじっくりと取り組んでみたいものだ。
●「観察 永遠に君を見つめて」
「イヌゴエ」などを手がけた横井健司監督の作品。これも非常に構図と映像が美しい作品だった。緒川たまきさんなど有名俳優が出演した作品ということ以上に、ストーリーとマルチプロットの構成が面白い。
望遠鏡でずっと観察する男と観察される女性という通常であれば変質的な関係を、見事なまでに美しくかつ奇麗に仕上げているのは流石に商業映画などを多く手がけられているプロの技だと感じた。
劇中で出て来る「山賊の唄」(だったかな...?)がとても印象的に使われていて、ずっと頭に残っている。
●「半身反義」
今回の上映作品の中で唯一の女性監督である、竹原佳世監督の作品。不思議な作品だった。ドキュメンタリーと劇中劇の二つからなっているが、途中からその二つの世界が倒錯して行き、とてもコンセプチュアルでアーティスティ行くな結末に繋がって行く。個人的には砂漠や砂浜をモチーフにした構図がとても美しいと思った。特に、夕焼けをバックに枯れ木と人のシルエットがあるシーンと、走って来た大人をカメラがパンすると子供に変わって裸で砂浜を走って行くシーンはとても印象に残っている。
●「熊楠 KUMAGUSU」特別上映 パイロット版
15年ほど前に田辺で撮影された幻の映画。和歌山が生んだ天才南方熊楠を描いた作品だが、途中で予算が無くなり撮影中止になったという作品だ。30分のラッシュ映像だったが、完成していればきっと日本の映画史に残るような傑作になっていたに違いないと感じた。森の深淵な感じが見事なまでに映し出されている。ラッシュ映像だけでも必見の価値はあった。
その後、映画検定一級の方々、特別審査員の方々による審査がある。
会場は浜辺の特設ステージへと映され、そこでの表彰式となった。
結果としては特別審査員賞にキム・テシク監督の「妻の友人に会う」が選ばれ、映検審査員賞に横井健司監督の「観察 永遠に君を見つめて」、市民審査員賞に「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」が選ばれた。
どれも優れた作品だったのでどれが選ばれても良いと感じた。
その後、打ち上げ会場へ移動する時間まで小一時間ほどあったので、横井監督と細川監督と僕と出店のたこ焼きなどほおばりながら少し待つ事にした。
横井監督は東京ではヤクザ映画なども撮っているという話も聞けて、また「観察」とは違った一面も覗いてみたいと思った。
そうこうしている内に弁慶祭を締めくくる花火が会場に打ち上げられて映画祭も幕を下ろした。
打ち上げ会場、そして2次会と4時まで宴は続いた。
映画検定の方々と話す機会があったので、色々と作品の感想などを聞いてみる。
細川監督の「ヤリタイキモチ」は技術的なクオリティに問題があったものの、将来への期待度では抜群だったらしく、次回作も是非見たいとのお言葉を色んな方から頂いた。また僕の演技もかなり細かく覚えて頂いて頂いていたみたいで、お世辞とは言え主演男優賞の言葉はとても嬉しい。
何より、こうした映画祭で様々な方とメッセージを交わす事が出来、それも互いの作品を見合うという通常よりも深いコミュニケーションを図る事が出来たのは我々にとって大きな収穫だったと思う。
2次会では細川監督との次回作の話で盛り上がったので、今度はもう少し技術的な面で充実したスタッフと組んでまたチャレンジしたいと思う。
by innerscape
| 2007-10-06 03:17
| 映画と演劇
私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
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