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阪大総長就任記念パーティのランドスケープ
鷲田清一が今回のAERAの表紙を飾っている。日本を代表する現象学の哲学者であり、臨床哲学の創始者でもある鷲田さんは、今期の大阪大学の総長へ就任したのだが、その総長就任記念パーティが本日開かれた。鷲田さんとはずっとイメージリテラシーという授業を2年ほど一緒にやってきたのだが、総長になってしまったのでもう授業を続ける事は出来ないが、もっと大きなコラボレーションへ踏み出して行ければと思う。
その最初を記念するイベントがこのパーティで、僕は例のごとく会場のランドスケープを手がける事になった。
10月の始めに、鷲田さんはじめ数人のメンバーで企画を練りはじめてからあっという間に当日になってしまったが、その間にプランは2転、3転した。
会場全体は、鷲田さんが留学していたドイツにちなんで、国旗の赤と黒を基調に考えた。
テーブルと椅子という記号性を少し取り払った抽象的な風景を作りたかったので、中央に黒い舞台を置き、その周囲には黒い箱が並ぶようなランドスケープにしてみた。人が座るベンチは赤の緋毛氈を敷き、日本庭園の延石のようにそれぞれがバラバラの方向に向けて配置した。
赤と黒なので、何だか棺が並ぶハードボイルドな空間になったが、人が入るといい感じでなじんでいたように思える。全く狙ったわけではないのだが、不思議とドイツカラーから出発して結果的に日本的なランドスケープが展開された。ただ対面型のテーブルよりもお茶屋のベンチのように横並びなコミュニケーションは意識した。
もうひとつ日本的になってしまった理由がある。
それは途中で急遽、文楽の公演をイベントに盛り込む事になったことだ。
しかもやってくるのは人間国宝の蓑助さんで、ステージを文楽仕様に場面転換する仕掛けが必要になった。
文楽は人形を操るので、人形を持ち上げたときの地平面になるように通常は手摺が設けられる。
今回は赤い花道を設けた中央の舞台の周囲に青竹を立てて、文楽公演の時のみそこに横竹を渡し、布をかけて地平面を作る事にした。
4角には一際高い青竹を設けて、フラワーアーティストの方にオンシジュウムで飾り付けをしてもらった。
文楽の舞台設計などしたことがなかったが、なかなか奥が深くて面白い。
今回は20分という短い時間の中だったので、お話の一部しか見れなかったが、次は文楽劇場で公演の全編を是非見てみたいものだ。
鷲田さんはいつものようにヨージヤマモトの服をまとい、いつものように恥ずかしそうにしながら舞台に立っていた。
総長になっても、屈託のない笑みを浮かべる鷲田さんは僕にとっての哲学の恩師であり、今回の新しい門出に際して少しでも力になる事が出来て良かったと素直に感じる。
その最初を記念するイベントがこのパーティで、僕は例のごとく会場のランドスケープを手がける事になった。
10月の始めに、鷲田さんはじめ数人のメンバーで企画を練りはじめてからあっという間に当日になってしまったが、その間にプランは2転、3転した。
会場全体は、鷲田さんが留学していたドイツにちなんで、国旗の赤と黒を基調に考えた。
テーブルと椅子という記号性を少し取り払った抽象的な風景を作りたかったので、中央に黒い舞台を置き、その周囲には黒い箱が並ぶようなランドスケープにしてみた。人が座るベンチは赤の緋毛氈を敷き、日本庭園の延石のようにそれぞれがバラバラの方向に向けて配置した。
赤と黒なので、何だか棺が並ぶハードボイルドな空間になったが、人が入るといい感じでなじんでいたように思える。全く狙ったわけではないのだが、不思議とドイツカラーから出発して結果的に日本的なランドスケープが展開された。ただ対面型のテーブルよりもお茶屋のベンチのように横並びなコミュニケーションは意識した。
もうひとつ日本的になってしまった理由がある。
それは途中で急遽、文楽の公演をイベントに盛り込む事になったことだ。
しかもやってくるのは人間国宝の蓑助さんで、ステージを文楽仕様に場面転換する仕掛けが必要になった。
文楽は人形を操るので、人形を持ち上げたときの地平面になるように通常は手摺が設けられる。
今回は赤い花道を設けた中央の舞台の周囲に青竹を立てて、文楽公演の時のみそこに横竹を渡し、布をかけて地平面を作る事にした。
4角には一際高い青竹を設けて、フラワーアーティストの方にオンシジュウムで飾り付けをしてもらった。
文楽の舞台設計などしたことがなかったが、なかなか奥が深くて面白い。
今回は20分という短い時間の中だったので、お話の一部しか見れなかったが、次は文楽劇場で公演の全編を是非見てみたいものだ。
鷲田さんはいつものようにヨージヤマモトの服をまとい、いつものように恥ずかしそうにしながら舞台に立っていた。
総長になっても、屈託のない笑みを浮かべる鷲田さんは僕にとっての哲学の恩師であり、今回の新しい門出に際して少しでも力になる事が出来て良かったと素直に感じる。
by innerscape
| 2007-12-10 00:05
| ランドスケープデザイン
私“flw moon”が日々の生活の中で感じた事を見つめ直し記録します。
心のフィルターを通して見た日々のシーンをひとつづつ電脳に記憶させることで、果たしてどんな風景が見えてくるだろうか・・・?
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